2013年5月に発表された国連食糧農業機関(FAO)の報告書によると地球上で食用に適する虫は1900種以上存在しており、アフリカを中心に南北アメリカ、アジア、ヨーロッパでも虫食が見られ、その人口は20億人にも上るそうだ。
確かに虫に嫌悪感を抱く人は多いかもしれないが、其の実虫というのは非常に食に適している。
まず栄養の点からみると高タンパク、良質の脂肪と食物繊維、そしてミネラルを多く含んでいる。
また、食用家畜として虫をみると非常に少ない飼料で育成が可能だ。
摂取した食物をエネルギーに変換する効率が哺乳類などの恒温動物で1-3%、魚類で約10%に対して虫は平均して40%という驚異的な数値になっている。
世界の食糧危機を救うと注目されている虫をガストロノミーに取り入れているシェフも増えてきている。
デンマークのNOMAやブラジルのD.O.Mなどが有名だろう。
今作はNOMAのRené Redzepi レネ・レゼピと彼のメンターであるClaus Meyer クラウス・メイヤーが設立したNordic Food Labによるもの。
エッセイや虫食の歴史、各虫の生態や特徴、そして虫を使ったレシピが掲載されている。
これからの料理界の新たな可能性を開拓している1冊。
Publisher: PHAIDON 社
336ページ
英語
2017年刊行
サイズ:縦 27.5cm×横 21cm×幅 3cm
ISBN: 978-0-7148-7334-3