スペインの首都でありヨーロッパ屈指の大都市であるマドリード。
三ツ星レストランを含む多くの星付きレストランが存在しており、美食家からも注目されている都市だ。
今作はマドリードで最高の食材を用いていると評判のLa Tasquita de Enfrente ラ・タスキータ・デ・エンフレンテのシェフ、Juanjo Lopez フアンホ・ロペスによるものだ。
La Tasquita de Enfrente ラ・タスキータ・デ・エンフレンテはスペイン語で向かい側の小さな食堂を意味する。
というのも元々フアンホ・ロペスの父がこのレストランをオープンした時、店の向かいにLa Gran Tasca ラ・グラン・タスカというレストランがあった。闘牛士や政治家や歌手といった裕福な人々が集うそのレストランの向かいで彼は祖母から学んだ昔ながらの料理を提供していたそうだ。
その頃フアンホ・ロペスはビジネスを学んでおり、保険会社の管理職を務めていた。
しかし父が亡くなった時、自分が本当に好きだったのは海や大地の最高の食材を楽しむこと、新しいレストランや料理に出会うこと、そして何より食べたり話したりする事だと気が付いた。
美味しい食事で回りの人を幸せにするという事に人生を捧げるのも悪くないと思い、彼はキャリアを投げ捨て、料理の道へと進むことを決めた。
今まで食には携わっていなかったが、様々な書籍や記憶、写真や文学からインスピレーションを得た伝統的で創造的なその料理はレストランの再開を望む人だけでなく、多くの人々を魅了した。
今著には彼らの料理対する姿勢や哲学が記されており、後半部分に料理が掲載されている。
一つ一つの料理に解説がついており、彼が何を思い、どのようにその料理を作っているのかが分かり興味深い。
フアンホ・ロペスの、 ラ・タスキータ・デ・エンフレンテの料理そのものの理解が深まる1冊だ。
Publisher:montagud 社
256ページ
スペイン語・英語 併記
2018年刊行
サイズ:縦 29.5cm×横 23.5cm×幅 3.5cm
ISBN:9788472121720